おめぇ握り寿司が食いてえ

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「血の家」 八十二雫

「それでは、続いて、 安永 総司理事------」 「・・・・」 「安永理事?」 「-----、一ついいか?」 「-------ええ、構いませんが...」 「ガタッ」 禎三の次に、自分の番が来ると 総司は、席から立ち上がる 「そもそも、今、次の御代についての 投票を行っ…

「血の家」 八十一雫

「"征四郎"だ-------、」 「・・・・!」 「せ、征四郎?」 「-----ああ、確かアメリカで 銀行をやってるだとか...」 禎三が、憮然とした表情で征四郎の名を口に出すと 部屋の中が大きく騒ぎ出す 「------禎三ッ 貴様っ!」 「ガタッ」 突然、禎三の向かい側…

「血の家」 八十雫

「では、まず、左葉会、平井様-------、」 雅が、部屋の奥の壇上から 自分に一番近い場所に座っている 平井に向かってマイクで呼びかける 「ガタッ」 平井は、席から立ち上がると この部屋に集まった全員の理事を見渡し 声を上げる 「-----当然、今、この場…

「血の家」 七十九雫

「(フン、揃いも揃って------?)」 雅は、斎場から自宅の叶生野の屋敷に戻り その一室に集まった円卓を囲んでいる、 叶生野グループの理事たちに目を向ける 「-----御代、と言っても、 尤光副会長や他の叶生野の 理事達はどこへ行ったんだ----?」 二ツ橋銀…

「血の家」 七十八雫

「(....フフフフフ)」 「【それでは、皆さま、 焼香の儀が終わりましたので 少し休憩を挟み、最後に 喪主である、叶生野家次女、 羽賀野 雅からの ご挨拶があります-----】」 叶生野荘にある、叶生野の一族の 葬儀が行われる斎場。 「(まさか、こうも上手く…

「血の家」 七十七雫

「もうすぐ二瀬川の橋に着くぞ!?」 "ブゥゥオオオンッ" 踏んだ足の力に応える様に、 三人を乗せた車が、二瀬川の方に向かって行く! 「だから、自分の出身である鴇与の家-----、 そして、その自分の家の子である 俺を次の御代に-------」 「・・・そうでご…

「血の家」 七十六雫

「 「だ、大丈夫か!?」 突然現れた二人の男が動かなくなったのを見て 征四郎と善波は倒れている明人、 そして近藤の元へと駆け寄って行く! 「ぐ、ぐぁあああああっ」 「と、とりあえず車に乗せろっ!」 「びょ、病院は!?」 ~~~~~~~~~~~~~…

「血の家」 七十五雫

「・・・・!」 "キキィッ!" 「な、何だっ」 「------皆さま、お下がりを...」 自分が乗って来た車に、 征四郎たちを案内しようとしていた 近藤のすぐ側に、黒塗りの車が停まる------、 「ガチャ」 「ガチャ」 「------善波さん」 「ああ...」 "ガサッ" 善…

「血の家」 七十四雫

「だ、誰だ!」 "バッ" 突然、部屋の扉が開いたことに、 部屋の中の全員が身構える 「---------、」 "コッ コッ コッ コッ.... 「だ、誰だっ」 「・・・・・」 サングラスをした男は、部屋の外から 窓の光が差す部屋の中へ、 静かに、そしてゆっくりと歩いて…

「血の家」 七十三雫

「しかし-----、」 更に数時間ほど時間が経っただろうか。 「--------..」 誰に話し掛けているか分からないが、 善波が部屋の中の空間を虚ろ気に見ながら喋り出す 「・・・さっきの話からすると、 特段、雅にも御代を継げる様な 特別な理由がある訳じゃない…

「血の家」 七十二雫

「・・・・」 血の家 七十二雫 「・・・・」 「・・・・」 「・・・・」 「・・・・」 三十分程時間が経ったろうか。 「雅-------、」 ずっと押し黙っていた明人が 部屋の中に向かって声を上げる 「あいつが、しおらしく 俺たちに協力すると言った時点で 少…

「血の家」 七十一雫

「-----携帯は?」 「ああ、どうやら、雅が俺たちの車から 持ってったみたいだな...」 「お前らは、携帯は持ってないのか?」 明人が、固まって座っている 善波、ジャン、征四郎に目を向ける 「ああ、雅は俺たちの携帯も 色々理由を付けて持ってったからな..…

「血の家」 七十雫

「結局、俺らは、あとどれくらい この場所にいるんだ-----?」 雅に罠に掛けられ、中州に取り残された 征四郎たちは、ある程度冷静さを取り戻したのか 鳰部の館まで引き返していた... 「-----さあな、分からん」 「ちょっと、平気なの?」 明人が、自分の前…

「血の家」 六十九雫

「あ、あの野郎ーーーーーっ!」 "ダンッ" 橋を支えている大きな杭(くい)の 横にいた明人が力任せにその柱を殴りつける! 「は、はじめから、このつもりで-----!」 「俺達を御代にするって話は、 嘘だったのか------!」 「・・・おい、どういう事だ?」 「…

「血の家」 六十八雫

「お、おい! 雅っ!?」 「な... どこへ行くって言うの!?」 「(尤光------!)」 征四郎が、館から外に出て 二瀬川の橋の方に向かって走って行くと 橋のすぐ手前に、一台の車。 そして、そこに、雅や、尤光兄妹の姿が見える 「------ごめんなさい、姉さん.…

「血の家」 六十七雫

「な、ナニ? ソレ-----」 「ピアノ線か------?」 「・・・・」 目の前に張られたピアノ線を見て 戸惑っている二人を見て征四郎が口を開く 「今までの、尤光兄妹の行動---- そして、雅のさっきの妙な態度を考えれば この館に罠があるかも知れないと言う事は…

「血の家」 六十六雫

"コッ コッ コッ コッ.... 「さっきの雅、何か、 おかしくなかったか----?」 征四郎が、自分の少し先、 二階の通路を歩く善波に後ろから話し掛ける 「ああ? そうか?」 「・・・・」 「ウォウ」 「------ジャン?」 "パッ パッ" ジャンは、目の前の通路の…

「血の家」 六十五雫

「血の家」 六十四雫

「ここが、"征佐"がいる、 叶生野の家-------、」 「・・・・」 橋を越えた辺りで車を止め、少し歩くと 征四郎たちの目の前に 古い、朽ちた、"館"が現れる 「ワオ....」 「ここに、征佐がいるって事-----?」 「そう------」 「そう言えば尤光たちがいる 鷸…

「血の家」 六十三雫

"キィィッ" 「うおっ、と」 「な、何だ?」 「ガチャ」 叶生野荘の外れの辺り、 木でようやく作られた様な二瀬川の橋を越え 少ししたところで征四郎たちが乗った リムジンが突然停止する 「な、何だ?」 「ガチャ」 善波、そして征四郎は、後部座席のドアを…

「血の家」 六十二雫

「征四郎くんはどうなんだ-----?」 「"どう"とは-----、」 叶生野の屋敷の駐車場、 雅が手配したリムジンが来るのを待っていると、 横にいた善波が、征四郎に話し掛けてくる 「征次の話だと、どうやら、 ウチの親父は、君の事を次の御代に 推すつもりだった…

「血の家」 六十一雫

「さあ、兄さん-----?」 「・・・・!」 「おい、征四郎くん。」 「・・・?」 「ちょっと」 「・・・・」 征四郎が、雅の言葉に押し黙っていると 隣にいた善波が征四郎に小声で話し掛ける 「少し、席を外すぞ-----?」 「構わないわ------」 「・・・・」 …

「血の家」 六十雫

「征佐は確かに存在する-----」 「私も、兄さん達と一緒に、 鳰部の館に行って 征佐と会うつもり----」 「鳰部? さっき尤光たちには、 別の場所を教えていなかったか----?」 「だから、あれは嘘-----。 そうでもしないと、 姉さんたちが、御代を諦めてくれ…

「血の家」 五十九雫

「じゃあ、お前は俺を 御代に推すって事なのか-----?」 「ええ-----、 そう------、」 「(コイツ-----、)」 「-----どうしたの、兄さん------?」 「(・・・・)」 征四郎が雅を見ると、雅は 冷え切った笑顔を浮かべている 「(-----"コイツ"...)」 先程まで…

「血の家」 五十八雫

「じゃ、じゃあ、鷸原の集落って事だな?」 「------ええ」 兄・正之の言葉に、雅は 氷の様な冷えた笑みを浮かべる 「よ、よし、じゃあ、そこに行くぞ」 「------ああ」 "ドタッ ドタッ ドタッ ドタッ...." 尤光、正之、明人は雅の言葉を聞くと 慌てた素振り…

「血の家」 五十七雫

「じゃあ、そこに行けば "征佐"の手掛かりが 分かるって言うのか!?」 「ええ----、この、"系図"にも 書かれているでしょう-----?」 「・・・・?」 総司と禎三の話を適当に切り上げ 征四郎と善波は応接室向かうために 屋敷の通路を歩いて行く 「た、たし…

「血の家」 五十六雫

「ウチの祖父さんだ------、」 「じゃ、じゃあ、 この左側に写っているのが、 安永閥の長、 お前の祖父さんだって言うのか!?」 「------ああ...」 "パサッ" 総司は、握りしめていた写真を テーブルの上に放り投げる 「・・・・」 「・・・・」 「・・・・…

「血の家」 五十五雫

「せ、征四郎くんが、 尚佐御大の息子だと!?」 「尚佐御大が、鴇与家!?」 「(--------、)」 「ああ、どうやら、 神代の集落で聞いた話が本当だとすると、 どうやら、その様なんだが...」 「・・・・」 「------!」 自分達の向かい側のソファーに座って…

「血の家」 五十四雫

「【そうか、分かった-----、】」 「ガチャ」 「何か分かったのか?」 「・・・・」 善波の部屋のソファーに座りながら 携帯を切った征四郎に、善波が視線を向ける 「いや、今、実家の征由に 鴇与の系図の確認と、 尚佐御大の事について それと無く聞いてみ…

「血の家」 五十三雫

"ガチャンッ!" 「あ、明人------」 「ブロロロロロロロロロロ....」 明人を乗せた黒塗りの車が、 鷺代の家を唸る様なアクセル音を響かせ 外へと飛び出していく! 「な、何なんだ、アイツは...」 「-----善波さん」 「-----どうした?」 「車....」 「車? …