「血の家」 七十五雫
「・・・・!」
"キキィッ!"
「な、何だっ」
「------皆さま、お下がりを...」
自分が乗って来た車に、
征四郎たちを案内しようとしていた
近藤のすぐ側に、黒塗りの車が停まる------、
「ガチャ」
「ガチャ」
「------善波さん」
「ああ...」
"ガサッ"
善波、征四郎は、脇に転がっていた
太い棒の様な木の枝を掴む
「------何用だ」
「・・・・」
"ザッ ザッ ザッ ザッ....."
車から降りて来た二人の男は、
何も答えず、無言で近藤の側まで近寄ってくる
「何を------」
"ズダンッ!"
「っあっ」
"ズサササササササササッ"
「こ、この野郎!」
「・・・・」
"ガッ"
「な------!」
男は、殴りかかって来た明人の腕を無言で掴む
「・・・・」
「ぐ、ぐぁああああああっ!」
"ガキィッ"
そして、それと同時に掴んだ明人の腕を
あり得ない角度にねじり上げる
「セ、セイシロー!」
「ぐぁぁああああっ!」
「カランッ」
「・・・・」
男は、明人が倒れたのを見ると、
尤光の前を素通りし、
征四郎、善波、ジャンの元へ向かってくる
「------ッ、」
善波が、男に向かって、手にした
太い木の枝を構える
「・・・・」
善波を見てまるで動じる様子も無く
男は一直線に善波に向かって突き進んで来る
「-------ッ」
"ビュンッ"
「(------ッ!?」
"ガッ"
「------おらっ」
"ガンッ"
「(雅か-------!)」
善波と男が打ち合っている横で、
征四郎は、手に木の枝を持ちながら隙を伺う
「------キサマっ」
「・・・・」
"ガッ"
「ぐっ!」
"ビュンッ"
「う、うおおおおっ!」
"ズサササササササッ"
男は、腕に何かを仕込んでいるのか
善波が打ち付けている棒を腕で払い、
そのまま善波の胸ぐらを掴み、
善波が吹っ飛ぶ!
"ガッ"
「(--------!?)」
「こ、近藤!」
「ぜ、善波さま!」
「(---------!)」
"ビュオンッ"
「が、がぁ・・・・」
"ズサササササササッ"
「・・・・!」
「Bitch!!」
近藤が、男のズボンの裾を掴むと、
征四郎が、男が態勢を崩したのを見て、
手にしていた木の枝を男の頭に叩きつける!
「-------Screw you!」
そして、それに意識を
取られていたもう一人の別の男に
ジャンが、強烈な体当たりを浴びせる
「-----く、くぉっ」
「(---------!)」
"ビュオンッ"
「・・・ッ!!」
"ゴガッ!!
男が体をジャンに抱えられながら
地面に倒れたのを見て、
征四郎は、男の顔面目掛けて木の枝を振り下ろす!
"ゴンッッ!!
「・・・・」
"バタッ"