「吉田と川越」 23OS
「その、マ...、MAA-Й(マージュ)
ってのは何なんだ?」
「・・・・・!」
"ガラッ"
ヘルムートは佐々木の言葉に
壺の中に回し入れていた棒を持つ手を止める
"ガランッ"
「いいさね・・・・ まず、お前らがいる
このFO-2.net...そして
このMidlertidig hvileの空間....」
「-----ああ、」
佐々木は先程までの事は忘れたのか、
ヘルムートの話に大きく関心を示す
「------これらの空間は確かに、
マルサールが作り出した
仮想構築空間内に存在する、
V-MONETの空間の一つだ...」
"ボフッ!"
「・・・・っ?」
壺の中に入っていた液体が何か沸騰でもしたのか
派手な気泡を立て音を上げる
「だが、この今ワシらがいるこの空間、
V-MONET内では、下層空間....
いや、"下層"と言う言い方はおかしいが...」
「下の層って事なのか?」
「・・・とにかく、今、ワシらがいる
このFO-2.net、Midlertidig hvileは、
V-MONET内では....、
そうだな...."第一空間"と呼ばれる様な、
マルサールのいる空間
MAA-Й(マージュ)とは
かなり離れた場所になる...」
「MAA-Й(マージュ)....」
"ガッ"
「------ヒェッ ヒェッ....」
"ゴポッ ゴポポッ"
ヘルムートが、壺の中を棒でかき回すと、
壺の中から何か、奇妙な音が聞こえてくる...
「このワシらがいる、第一空間とマルサールがいる
MAA-Йには、かなり違いがあり、
ワシらの様な下層空間、
VMES(ヴィメス)内にいる技術者じゃ、
到底第三空間にたどり着く事はできん・・・」
「何でだよ」
「・・・・」
"ゴポポッ"
ヘルムートは、吉田が持っている
パソコンに目を向ける
「この、VMES空間で使われる技術は、所詮、
外の世界、地上で使われていた
技術の応用が殆どだ...」
"バシャッ バシャシャァァッ!"
「それと違い、上位互換であるこの上の階層、
G/V空間では、
マルサールの作り出した様々な技術....」
「越数学の事か....」
「そう、それに加え、先程お前らに話をした
神や悪魔を越えた者------、
"神々を超えた存在"、
も当然の様にその空間内に
犇(ひし)めき合っていると
聞いている...」
「・・・・!」
「そんな場所に、果たしてお前らが
進んで行ったところで
マルサールを倒せる...
いや、倒す前に、マルサールの存在を
見つける前に、その神々や
マルサールが施したプロテクトの前に
やられちまうのが関の山だ....」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
"ゴポッ ゴポポッ...."
「それでもお前らは、この先へと
進んで行くつもりなのかね------?」
「・・・・・」