おめぇ握り寿司が食いてえ

様々な小説を紹介

「23世紀の恋人」 3つめの愛

三つめの愛 「おはよー」 「ひひぇいっ!」 セゲナが、大学の教室の扉を開け 中に入ると、クラスメイトが挨拶してくる 「ひひひぇいっ!」 「・・・・」 どうやら、今、 この学内ではこの挨拶が流行っているのか クラスメイトは満面の笑みを浮かべながら 奇…

「23世紀の恋人」 2つめの愛

2つめの愛 23世紀-----。 「キテる! キテる!」 文明は発展の一途を辿(たど)り、 人類は新たな 恋愛方法を見つけ出していた----- 「キテる! キテるよッ!?」 "リモート恋愛" 「誰ッ! 誰なの!?」 恋愛は、もはや身近な物ではなく、 街、そして、国、 いや、…

「23世紀の恋人」

「キテる! ....キテるヨっ!?」 どこからか、感じる、深い愛----- 「キテるッ! "キテ"るヨっ!?」 遠く彼方から、感じる、深い愛-----」 「キテるっ! キテるヨ!」 私の恋人は、見知らぬアナタ-----、 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「おい、アインシュ…

「きつねうどん」 十二きつね

「おい! 英孝!」 「・・・・」 今日も、定時の23時で会社が終わり、 ロッカールームで、同僚が話しかけてくる 「ギャンブル! ギャンブルしないか! 競艇とか! 競馬とか! スロットもあるぞ!?」 「・・・・」 「スッ」 英孝は、同僚を無視して、 その…

「きつねうどん」 十一きつね

「(・・・・何だ?)」 どうやら、甕の中に入った、 "何か" を回し終えたのか、 甕の周りを囲んでいた狸と狐たちが 棒を回すのを止め、甕の前に並んで座っている 白い狐と、黒い狸の周りを、 円を描くように取り囲む 「(・・・・!)」 「ぽんっ ぽんっ ぽんっ…

「きつねうどん」 十きつね

「("きつね"と"たぬき"------)」 「ぽんっぽんっ」 「こんっ こんこんっ!」 「(・・・・・)」 「ぷぅぅううぅうううん」 丘からの風に流されたのか、 英孝の鼻に、何とも言えない、 いい"香り"が漂ってくる----- 「ぽんっぽんっ?」 「こんっ こんっこんっ…

「きつねうどん」 九きつね

「ぷぅぅうぅぅぅうん」 「(------?)」 狸たちが林から出てきたのと同時に、 英孝の鼻に、何とも言えない、 どこか、峠の蕎麦屋で嗅いだことがある様な いい"匂い"がしてくる 「ぼんっ ぼんっ ぼんっ!」 「(デカい...)」 狸たちが、甕の前に立っている 狐…

「きつねうどん」 八きつね

「(丘だ----)」 「こんっ こんっ こんっ」 しばらく、英孝がきつねたちの後を 尾けていくと、狐たちは 大きな甕を担(かつ)ぎながら月明かりが差す、 小高い丘の上に辿り着く 「ガタタッ」 「(・・・・?)」 白い狐の後ろに付いていた、 行列を成していた甕を…

「きつねうどん」 七きつね

"ザッ ザッ ザッ ザッ----" 「(----どこに向かってるんだ...?)」 英孝が、白い狐の後ろについて甕を持ちながら ついて回っている狐たちの行列を見る---- 「ガサッ」 「ガササッ」 「(上を目指してるのか----)」 木の陰に隠れながら、 英孝はきつね達の様子…

「きつねうどん」 六きつね

「(・・・・?)」 「ガサッ」 「ガササッ」 しばらく、狐たちが甕の中の 何かを回しているのを見ていると 突然、じっと動かなかった部屋の奥にいる 大きな、白い狐が椅子から立ち上がる 「(ま、まずい)」 「どすっ どすっ どすっ」 「(・・・・!)」 こちら…

「きつねうどん」 五きつね

「(・・・・・)」 「こんっ こんっ こんっ こんっ!」 「("きつね"-----)」 「こんっ こんっ こんっ!」 明かりに誘われ、英孝が 屋敷の中に入り込むと、 「こんっ こんっ」 「こんこんこんっ!」 屋敷の襖(ふすま)越しに 何匹かの狐たちが 何か、大きな甕(…

「きつねうどん」 四きつね

「ガサッ」 「(------?)」 蕎麦屋の中に英孝が入ると、 店の中には、きつねはおろか、 店主の姿すら見えない 「---------」 英孝は誰もいない店の中を 奥まで進んで行く 「・・・・!」 「ぷぅぅううぅぅん」 「("蕎麦"------)」 店の奥の座席の上を見ると…

「きつねうどん」 三きつね

「不思議な一日だった....」 何がどうなって、峠の蕎麦屋(そばや)にいた 狐(きつね)が、自分の帰り道の 崖の下にいたのかは分からないが とにかく、きつねがいたのは確かだ----- 「(きつね----)」 「ジュルッ」 「おい! 英孝!」 「あ、は、はい!」 「ボサ…

「きつねうどん」 二きつね

「きつねうどん」 一きつね

「吉良 宣直(拾弐)」

吉良宣直(終) "大往生" 「はっ」 「それ!」 吉良城から五里、仁淀川周辺の 山川の地で、 宣直は、家臣一同を引き連れ、 領民と共に鮎猟を行っていた 「殿!」 家中で一番の剛力の榊(さかき)新左エ門が、 袴(はかま)の裾(すそ)を捲(まく)り上げた 宣直の元…

「吉良 宣直(拾弌)」

吉良 宣直(拾弌) 宣直が当主になって、 十年余りの歳月が流れた 国境(くにざかい)の東に 基盤を置いていた本山家は、 その勢力を、日を追うごとに拡張し、 ついには吉良城から二里ほどの場所に、 朝倉城を築いた。 「と、殿!」 宣義亡き後、家老に納まっ…

「吉良 宣直(拾)」

吉良 宣直(拾) 「宣義はどうしておる」 件(くだん)の件により、宣義は宣直によって 城外の牢獄(ろうごく)に禁固を命じられた 通常、罪人は、即刻処罰を与えて 処(ところ)払いにするか、死罪を付けるのが 慣例であるが、 家老と言う大臣の身分である 宣義に…

「吉良 宣直(九)」

吉良 宣直(九) 刻限は晩九つになっていた 朝方に狩りに出た宣直は、 未だ城に戻らなかった 宣直の居室である天守の間で、 宣義は一人、黙々と、家の雑務を処理し、 漸(ようや)く、その全てを終え、 髷(まげ)の元結(もとゆい)を緩めていた 「これでは誰が主…

「吉良 宣直(八)」

吉良 宣直(八) "このままでは行かぬ" 国境にいる本山の存在が 宣直の理を失わせたのか 宣義の目に写る宣直の仕様は、 宣義の求める君主の姿ではなくなっていた 狩猟や酒を好み、 政務は家老である宣義に一任し、 宣直は、宣義の諫言を聞き入れず君主として…

「吉良 宣直(七)」

吉良 宣直(七) 梅軒が家を出てからと言う物、 家臣の間には不安が広がっていた 先代、宣経は、この梅軒を破格の高禄(こうろく)で 召し抱えていただけに、 その誹謗(ひぼう)は、宣直に向けられた 「しかしあの様では、梅軒殿が 家を出るのも無理は無い」 「…

「吉良 宣直(六)」

吉良 宣直(六) 宣経が隠れて三月程経った 叔父の宣義、南宋学(なんそうがく)の梅軒と共に、 新しく当主となった宣直は、 家を盛り立てていく様、 宣経に言われたが、 宣直は梅軒がどうしても好きになれなかった 梅軒の口にする朱子学に対して まるで寺の小…

「吉良 宣直(伍)」

吉良 宣直(伍) 家中の者が、梅軒に師事する様になって 六月ほどが経った 始めの内は家中の者も その教えの難しさからか、 梅軒の教えを理解し難かった様だが、 家臣の者への、宣経や宣義の厳命(げんめい)もあり、 次第にその教えは吉良家に浸透(しんとう)…

「吉良 宣直(与)」

天文二年 隣国、一条・本山に挟まれた形の吉良家は この状況を打ち破るべく、 国力の強化に努めていた 関税や年貢(ねんぐ)を減らし、商いをしやすいようにして、 国力を蓄え、兵を養う... "商学錬" 宣経が居室とする、天守閣には、 その三字が掛け軸として備…

「吉良 宣直(参)」

「吉良 宣直(参)」 吉良城下から東に二里、 本山家と浦戸湾を背にした高見山に、 名来衆を束ねる、前波(ぜんば)家がある 吉良家の当主である父宣経の命で、 宣直と、宣義は、 前波家の内通の嫌疑(けんぎ)を確かめるため 出向いては見たものの、 凛(りん)…

「吉良 宣直(弐)」

「吉良 宣直(弐)」 "内憂外患(ないゆうがいかん)" 「このような時代に、 まともな神経でおれるはずがあろうか」 宣直は思う 齢十一にして、酒の味を覚え、 十三にして女を知った いつ東の境にいる本山家と戦になるか そう考えると、 毎晩鬱鬱(うつうつ)と…

「吉良 宣直(弌)」

<i581466|37349> 戦国武将伝 「吉良 宣直(のぶただ)」(弌(いち)) 作:井田 謙二 享禄(きょうろく)二年、土佐の地では守護代である細川氏が、 応仁の乱により徐々にその力を失うと、 在地の豪族たちが、勢力を拡大し、 土佐の地を各人で治めるようになっていた。 世に言う、 </i581466|37349>…

「死出密室島連続殺人事件(13)」

終章 朝の光が輝く 鮎人 「朝か...」 長い夜が明け、ホテルから連れていかれる部員たちを、 俺は港の端から眺めていた... 鮎人 「・・・ 散々だったな」 隣にいる女性が微笑みかける 宏美 「・・・ 並河君、、、」 警察の話によると、国東や他の部員は、 事…

「死出密室島連続殺人事件(12)」

死出島密室島連続殺人事件(12) "全員が犯人" その一言に、 先ほどまでどこか他人事だった 部員の雰囲気が、一変した 国東 「・・・ 聞かせてもらおうか、並河。」 鮎人 「まず第一の殺人。」 弘也 「・・・ 真奈美さんの事か?」 鮎人 「いや、はっきりと他…

「死出密室島連続殺人事件(11)」

[ 死出島密室島連続殺人事件(11) 急いで宿まで戻る 宏美を抱きかかえながら、 今回の事件の事を思いかえす 鮎人 「・・・ おそらく偶然を装って...」 来た道を倍の速さで引き返す 鮎人 「おそらく、宏美と、 他の部員は...」 もう少しでホテルだ 鮎人 「・・…