おめぇ握り寿司が食いてえ

様々な小説を紹介

2021-11-02から1日間の記事一覧

「きつねうどん」 十二きつね

「おい! 英孝!」 「・・・・」 今日も、定時の23時で会社が終わり、 ロッカールームで、同僚が話しかけてくる 「ギャンブル! ギャンブルしないか! 競艇とか! 競馬とか! スロットもあるぞ!?」 「・・・・」 「スッ」 英孝は、同僚を無視して、 その…

「きつねうどん」 十一きつね

「(・・・・何だ?)」 どうやら、甕の中に入った、 "何か" を回し終えたのか、 甕の周りを囲んでいた狸と狐たちが 棒を回すのを止め、甕の前に並んで座っている 白い狐と、黒い狸の周りを、 円を描くように取り囲む 「(・・・・!)」 「ぽんっ ぽんっ ぽんっ…

「きつねうどん」 十きつね

「("きつね"と"たぬき"------)」 「ぽんっぽんっ」 「こんっ こんこんっ!」 「(・・・・・)」 「ぷぅぅううぅうううん」 丘からの風に流されたのか、 英孝の鼻に、何とも言えない、 いい"香り"が漂ってくる----- 「ぽんっぽんっ?」 「こんっ こんっこんっ…

「きつねうどん」 九きつね

「ぷぅぅうぅぅぅうん」 「(------?)」 狸たちが林から出てきたのと同時に、 英孝の鼻に、何とも言えない、 どこか、峠の蕎麦屋で嗅いだことがある様な いい"匂い"がしてくる 「ぼんっ ぼんっ ぼんっ!」 「(デカい...)」 狸たちが、甕の前に立っている 狐…

「きつねうどん」 八きつね

「(丘だ----)」 「こんっ こんっ こんっ」 しばらく、英孝がきつねたちの後を 尾けていくと、狐たちは 大きな甕を担(かつ)ぎながら月明かりが差す、 小高い丘の上に辿り着く 「ガタタッ」 「(・・・・?)」 白い狐の後ろに付いていた、 行列を成していた甕を…

「きつねうどん」 七きつね

"ザッ ザッ ザッ ザッ----" 「(----どこに向かってるんだ...?)」 英孝が、白い狐の後ろについて甕を持ちながら ついて回っている狐たちの行列を見る---- 「ガサッ」 「ガササッ」 「(上を目指してるのか----)」 木の陰に隠れながら、 英孝はきつね達の様子…

「きつねうどん」 六きつね

「(・・・・?)」 「ガサッ」 「ガササッ」 しばらく、狐たちが甕の中の 何かを回しているのを見ていると 突然、じっと動かなかった部屋の奥にいる 大きな、白い狐が椅子から立ち上がる 「(ま、まずい)」 「どすっ どすっ どすっ」 「(・・・・!)」 こちら…

「きつねうどん」 五きつね

「(・・・・・)」 「こんっ こんっ こんっ こんっ!」 「("きつね"-----)」 「こんっ こんっ こんっ!」 明かりに誘われ、英孝が 屋敷の中に入り込むと、 「こんっ こんっ」 「こんこんこんっ!」 屋敷の襖(ふすま)越しに 何匹かの狐たちが 何か、大きな甕(…

「きつねうどん」 四きつね

「ガサッ」 「(------?)」 蕎麦屋の中に英孝が入ると、 店の中には、きつねはおろか、 店主の姿すら見えない 「---------」 英孝は誰もいない店の中を 奥まで進んで行く 「・・・・!」 「ぷぅぅううぅぅん」 「("蕎麦"------)」 店の奥の座席の上を見ると…

「きつねうどん」 三きつね

「不思議な一日だった....」 何がどうなって、峠の蕎麦屋(そばや)にいた 狐(きつね)が、自分の帰り道の 崖の下にいたのかは分からないが とにかく、きつねがいたのは確かだ----- 「(きつね----)」 「ジュルッ」 「おい! 英孝!」 「あ、は、はい!」 「ボサ…

「きつねうどん」 二きつね

「きつねうどん」 一きつね