「血の家」 四十雫
"ザッ ザッ ザッ ザッ------"
「じゃあ、この先に
何か村みたいなものが
あるって言うのか----?」
「おそらく------」
"ザッ ザッ...."
征四郎は自分の前に続く
草が途切れた、目の前にできた道の様な場所を
携帯の明かりを頼りに、先へと進んで行く
「さっきの征次の話を考えれば
この先にダムが建てられる予定で
残された村があると言っていた...」
「----だから?」
"ザッ ザッ ザッ ザッ------"
「有り体に考えれば、
その話が嘘だったとしても
そんなすぐにバレる嘘を
叶生野の人間に付くとは思えない----、」
「じゃあ、さっきのおジイさんは、
このバショを
かくしてたってコト-----?」
"ザッ"
「・・・?」
「クククククク....」
「せ、征四郎くん-----?」
不気味な笑みを浮かべながら、
征四郎は突然足を止める
「見ろ、善波さん------?」
「あ、あれは------!」
「"村"だ-------!」
「な、ナンテ-------!」