「血の家」 四十六雫
「どうしたんだ-----!
征四郎くん-----っ!?」
「【ああ、俺だ------、
誰か、ウチの者はいるか-----?】」
「・・・・?」
突然家の外へと出て行った
征四郎の後を追って、善波が門の外へと出る
「【・・・兄さんかっ!?】」
「・・・・」
征四郎を見ると、征四郎は
自分のバイクに置いてあった携帯を手に取り、
どこかに電話を掛けている様だ
「--------、」
「ああ、ああ....」
「・・・・」
「【ああ、とりあえず、系図の方は、
携帯で見れるから、
兄さんはそれとは別に-----】」
「・・・・・」
善波は、後ろを振り返り
今、先程までいた民家の方を振り返る
「【------じゃあ、頼んだ】」
「ガチャ」
「------どうしたんだ?
征四郎くん?」
「・・・・善波さん、
とりあえず中に----」
「・・・・?」
"ザッ"
短くそう告げると、征四郎は
善波の横を通り抜け、再び
家の中へと入って行く
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「見てくれ、この写真------、」
畳の上にバラ撒かれた
一枚の写真を征四郎が手に取る
「さっきの写真だろう...?
そいつが何かあるのか?」
「よく見てくれ」
「・・・・?」
善波が、征四郎の手から写真を手に取り、
ジっと見ると、その写真には
二人の若い男が写っている
「こいつが、どうかしたのか?」
「-------フッ」
「??」
征四郎が思わず笑みをこぼす
「その写真に写っている右側の男-----」
「こいつが、どうかしたのか?」
「・・・~~~っ」
ここまで言っても、まるで、写真の人物が
誰か分からない様子の善波に、
征四郎が焦れた顔を浮かべる
「その右側に写ってる男、それ、
"尚佐"御大じゃないか。」
「------...」
「ほら、かなり今とは
感じが変わってるが....」
「・・・・あ!」
善波が驚いた声を上げる
「お、親父が写ってるってのか!?
この写真にっ!?」
「どうやら、そうみたいだ-----」
「・・・・」
「・・・・」
「だが--------、」
少し間を空けた後、善波が口を開く
「何だって、親父の若い頃の写真が
こんな山の外れの民家の中に
飾られてるんだ------?」
「・・・・」
"スウ"
征四郎は、息を一つ吸う
「それは分からない-----、
だが、この写真がこの家の中にあって
この家には、誰か人が
住んでた形跡がある-----」
「そうなると...」
「つまり、この家に住んでいた人間は
尚佐御大とかなり
近い関係の人物-----、」
「・・・・」
「もしくは、尚佐御大、
"本人"
なんじゃないか--------」
「・・・・・!」