「吉田と川越」 10OS
"ビシィッ"
「な、何だ------?」
"ビシッ ビシシィッ"
「(・・・・)」
"ズズ ズズズズズズ.....
突然、空間の間(はざま)から現れた
"神"と呼ばれる異形の形をした
"何か"は、空間の裂け目から工房の中に向かって
その巨大な体を沈み込ませゆっくりと
背中に付いた羽を振るいながら
上空から、サイト内の底の方にいる
吉田たちの元まで降りてくる...
「あ、あれが、"神"なのか-----?」
"ジッ ジジッ------!"
「??」
"ボンッ"
「------!」
"ガシャァンッ!"
「パ、パソコンが------!」
"ジジッ ジジジッ
「な、何だ-------?」
突然、何か不快な耳鳴りの様な
音が聞こえたと思うと、
ウィルの横にある台座の上に乗せられていた
"パソコン"が、派手な音を上げ四離八滅する
「な--------!」
「吉田ッ!!」
「(・・・・・)」
「"ジャミング"だっ!?」
"ジジッ
「ジャ、ジャミング?」
「"妨害"っ 電波を放ってるぞっ!?」
「(・・・・・)」
"分かってる"
突然、台座の上に置かれていた
パソコンが爆発した事で、吉田、そして川越は
それが"神"と呼ばれる今まさに、
上空の裂け目から自分達に向かって
ゆっくりと近づいてくる存在が
仕掛けた物だと言う事を
本能(さと)る-----!
"ボンッ!"
「ら、ラジオが------っ」
"ボンッ! ボンッ!"
「っ-----! !!?」
自分の近くの棚の上に置かれた
ラジオが爆発した事にウィルが驚くが、
それに続けて部屋の中に置かれていた
様々な機械が次々と砕け散って行く!
「あ、"アイツ"か-----?」
"スゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ....
ウィル、そして佐々木は、上空から
まるで何事もない様にゆっくりと等速で
自分達の元へ向かって降りてくる、
"存在"に目を向ける-------!
"pi!"
「エクセキューショナー...」
「AliCe....」
吉田が、AISUS-zk9から
このサイト内に具現化された、
"AliCe"に目を向ける
「・・・・」
「--------フッ」
"戦いたい"
「(-------フッ、)」
AliCeの様子に、吉田は
その意志を感じ取ったのか、
パソコンのキーボードに向かって
片手を翳(かざ)す!
「お、おい! どうするんだ!
このままじゃ、あいつのジャミングで
お前のパソコンも
ぶっ壊れちまうんじゃねぇのか!」
"ジジッ! ジジジッ!"
「(---------!)」
"カタッ"
「《ekzekutimi》、
《Urdhëroni mirëkuptim》
これより、エクセキューショナーと
"共装"--------!」
「な、---------!」
"ビビィッ!"
「--------!?」
"ガチャンッ ガチャンッ"
「-------ッ!?」
「《Zot, shkatërrim》
《Bllokimi i valëve të radios》」
"ジジジィッ"
「-------っ!?」
"ボホッ"
「な、何だっ!?」
"ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ....
吉田が、パソコンのエンターボタンを押し
AliCeが何かを呟くと、
再びウィルの周りにあった
テレビが音を上げて吹っ飛ぶ!
「ジャミング...
-------"キャンセル"ってとこだな?」
「・・・・!」
"フッ"
吉田の一言に、川越は
ラディカルな笑みを浮かべる
「・・・・?」
「・・・・!」
"ジュルッ ウジュッ"
「おい、お前らだけで"倒せ"るのか...?
相手は、"神"だろ-----?」
"ポンッ ポンッ"
「・・・黙って見てろ」
「------へいへい。」
"ポンッ"
自分の好意を無碍(むげ)に断って来た吉田に
機嫌を悪くしたのか、佐々木は手に持っていた
コルメタタスの魔石を軽く上に放り投げる
"ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...."