おめぇ握り寿司が食いてえ

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「死出密室島連続殺人事件(8)」

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死出島密室島連続殺人事件(8)

 

「ゴオーン」

 

ロビーの中央付近にある、

 

時計の鐘が鳴る

 

国東

 

「・・・

 

 一時か」

 

本田が殺された後、

 

その遺体を片付けた俺たちは、

 

みんながバラバラにならないよう、

 

ロビーで一か所に固まることにした

 

"この中に真奈美と、本田を殺した犯人がいる"

 

みな口には出さないが、そう思っている。

 

そして、その疑惑は宏美に向けられていた...

 

国東

 

「・・・

 

 ちょっといいか?」

 

国東が口を開く

 

「真奈美さんと本田は他殺だ。

 

 この島には、俺たち以外には誰もいない」

 

そんな事は分かりきってる

 

国東

 

「・・・

 

 と言う事は、つまり、俺たちの中に

 

 二人を殺した犯人がいる」

 

国東が部員全員を見ながら、そう言う

 

国東

 

「・・・

 

 二人を殺したのって誰だと思う」

 

部員の視線が一斉に宏美に集まる

 

国木美憂

 

「・・・

 

 別に考える事じゃないと思いますけどぉ~」

 

国東

 

「どういう事だ」

 

国木

 

「だって~

 

 谷川君とか、都都逸先生って

 

 宏美さんが...」

 

弘也

 

「何言ってんだよ! 

 

 宏美先輩がそんな事する訳ないだろ!」

 

国木

 

「でも~

 

 状況的にはどう考えても部長しかいないじゃないですか~?

 

 現に都都逸先生もボウガンで殺してるし~」

 

宏美

 

「・・・」

 

弘也

 

「だからあれは事故だったって言ってるだろ!」

 

国木

 

「・・・

 

 あり得ないでしょ

 

 ボウガンが誤作動して、

 

 人を崖から突き落として

 

 事故だったって」

 

確かにそうだ。

 

あれが事故だったとはどうしても考えられない

 

国東

 

「・・・

 

 風間」

 

宏美はうつむいて何も喋らない

 

国東

 

「谷川と都都逸先生の事、

 

 あれ、本当に事故だったのか?」

 

弘也

 

「事故だって言ってるだろ!」

 

国東

 

「・・・

 

 お前には聞いてない」

 

弘也

 

「・・・」

 

宏美

 

「私は...」

 

宏美がその先を言おうとすると、

 

突然、ロビーのガラスが割れた

 

「ガチャ」

 

田島京子

 

「な、なに?」

 

「ガチャッ、ガッ!ガッ!」

 

暗がりでよく見えないが、ロビーの外に何かいる

 

「ガンッ! ガンッ!」

 

ロビーの壁は、全面ガラスで映画のスクリーン程の大きさがあり、

 

そこからは外が見渡せる

 

だが夜で明かりをつけていないせいか、

 

外がどうなってるかはよく分からない

 

国東

 

「お、おい...」

 

音が止んだ。

 

国東

 

「・・・

 

 並河、

 

 ちょっと窓の所...

 

 見て来てくれないか」

 

窓ガラスの近くまで行くと、

 

そこには誰もいない

 

国東

 

「な、何かいるのか?」

 

鮎人

 

「・・・

 

 特に...」

 

そう言いかけた時、

 

音がしていた窓の所に

 

妙な物を見つけた

 

鮎人

 

「ん...?

 

 これって...」

 

見るとそれは、何かの鍵の様だ

 

国東

 

「何だ? それ」

 

鮎人

 

「・・・

 

 何かの鍵みたいだけど...

 

 部屋の鍵とかとはちょっと違うみたい」

 

他の部員も俺のところにやってくる

 

柿崎

 

「これ、船の鍵みたいだな」

 

国東

 

「船?」

 

柿崎

 

都都逸先生が運転してた船の鍵もこんなのだったろ?

 

 車とか、部屋の鍵とかとは少し違うから、

 

 なんとなく分かる」

 

弘也

 

「ど、どういう事?」

 

柿崎

 

「・・・

 

 推測すると、この島に

 

 この鍵を使う船がある」

 

景子

 

「・・・

 

 ていうか今の何だったの? 

 

 人がいたって事?」

 

部員

 

「・・・」

 

弘也

 

「な、なんなんだよ...」

 

"この島には俺たちしかいないんじゃないか?"

 

そう思っていたが、

 

じゃあ、この鍵は何なんだ?

 

それに今のは...

 

京子が思い出したように口を開いた

 

田島京子

 

「やっぱり...

 

 いるんだ」

 

弘也

 

「いるって...

 

 何がだよ」

 

田島京子

 

「人さらい...

 

 死人伝承の」

 

死人だか、人さらいがいるかはよく分からないが、

 

とにかく、俺たち以外にも誰かがこの島にいるかもしれない

 

国東

 

「と、とりあえず場所を変えよう」

 

ロビーに置いていた荷物を引き払い、

 

俺たちは別の場所へ移動する...