「吉田と川越」 20OS
「それじゃ、お前はここで
"神々を超えた存在"
の事を調べているのか....?」
佐々木は、自分の同族の頭を掲げながら
壺の側にいるヘルムートを睨み付ける
「------そうさね...」
"カッ カッ カッ カッ....
「・・・?」
「この、V-MONET内は------」
"バサッ"
「この、V-MONET内には、
至る所に神や悪魔が溢れている...」
ヘルムートは壺の側から部屋の隅にあった
机の方に向かうと、その脇に置かれていた本棚から
分厚い本を取りだす
「我々、ダークウェブ....
地上に残された人間たちが、
このV-MONET内をリンクしていくには
その"神々を超えた存在"を更に
超えて行く事が必要だ....」
"バササッ"
「-------そうだろう...?」
「・・・・・」
自分の顔を見つめている老人に、
佐々木は無言で視線を逸らす
"パラ....
机の上に置かれた本を
ヘルムートがめくり始める....
「通常の神や悪魔なら、先程、
お前さん達がやった様に
その神々の存在を構成している
プログラムを書き換えてやれば、
その神々をこの空間から
排出させる事ができる訳だが....」
「------見てたのか?」
「------ヒェッ ヒェッ」
"パララララ....
「だが、神々を超えた存在と出会い
もし、その存在と間違ってでもいいが...
"戦う"などと言う考えを
持っている者がいたとしたら...」
「------どうなるってんだ?」
「・・・そんじょそこらの新型パソコンや
階級の低い天使や悪魔では
どうにもできんだろうな...」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「-----どうした?」
「・・・・」
「・・・・」
ヘルムートの言葉に、自分達の意気を奪われたのか
部屋の中にいる吉田、川越、佐々木の三人は
皆、押し黙る....
「ここ(V-MONET)じゃ、
すでに、神や悪魔の存在は
そこらを歩いている凶暴な犬や
ライオンとかと変わりがねえ....」
「佐々木・・・・」
「ヒェッ ヒェッ」
「俺たち悪魔がこの先、この世界で
生き残ろうと思うんだったら
そいつらを、どうにかするしかねえ...」
「ヒェッ ヒェッ-----
お前さんには、無理だな」
「....」
「見たところ、お前は、
まだ邪聖神化を遂げていない
ただの悪魔だろう------?
それで神々を超えた存在を
どうやって倒すと言うのかね------?」
「その方法が、この
V-MONET内にあると聞いた」
「・・・"半神化"の事か...」
「・・・・」