おめぇ握り寿司が食いてえ

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「吉田と川越」 14OS

f:id:sevennovels:20220203114648j:plain「これから、どうするつもりだ------?」

 

"ガタッ ガタタッ"

 

"神"と呼ばれる存在が

 

このサイト内から消え去り、

 

落ち着きを取り戻したのかウィルは

 

サイト内に散らばった

 

工具やパソコンの部品を片付けながら

 

吉田たちに目を向ける

 

「"神"は去った-------」

 

「ああ....」

 

「(・・・・)」

 

"ガタッ"

 

"ガタタッ!

 

「(・・・・・)」

 

吉田は、ウィルが空間内に散らばった

 

道具をまとめているのを見て

 

何も無い、真っ白なサイト内を見渡す-----

 

「おいおい、今のが"神"だってんなら、

 

  この先結構やべえ事に

 

  なるんじゃねえか------?」

 

「・・・何でだ?」

 

吉田が、スパイリーの足飾りをしている

 

佐々木に目を向ける

 

「い、いや、このV-MONET内には

 

  今みたいな"神"が、当たり前の様に

 

  いるとは聞いてたが...」

 

「お前は、悪魔だろう-------?」

 

"ガタッ!"

 

「あ、悪魔っ!? コイツがか!?」

 

ウィルは、手に持っていた

 

パソコンの冷却器を床に落とす

 

「知らなかったのか?」

 

「い、いや・・・・」

 

「フン-------、」

 

ウィルと吉田のやり取りを見て

 

川越が冷めた目を浮かべる

 

「今さら、悪魔ごときで何を驚く必要がある...」

 

「い、いや...」

 

「この、V-MONETと言う空間は

 

 マルサールが作り出した仮想構築空間だ。

 

  神や悪魔の類いなら、

 

 掃いて捨てる程いる------...」

 

【神と悪魔】

 

このV-MONET、そして地上の世界を支配する

 

"マルサール"は、この空間内に

 

想像が付く限りの存在を表出させ、

 

更にその表出させた存在の一部として

 

現実世界に存在する神や悪魔をも

 

この空間に生み出していた...

 

「し、しかし、悪魔とは...」

 

「-----何だよ」

 

「い、いや....」

 

佐々木が、自分に向かって好奇の目を浮かべている

 

ウィルを睨みつける

 

「----------...」

 

「川越。」

 

"カッ カッ カッ カッ....

 

川越は、吉田たちに背を向け何も無い

 

ウィルが作り出したサイト内を歩き回る

 

「もはや、この世に、神は存在しない....」

 

「・・・・」

 

"カッ カッ カッ カッ....

 

「マルサールが作り出した

 

  この白灼(びゃくやく)とした世界は、

 

  今までの地上の規則性を全て無に帰し

 

  善や悪...人や、神...

 

  全ての存在が入り混じる

 

 混沌とした世界を生み出した...」

 

「・・・・」

 

今の暗い状況を指摘されたのが堪(こた)えたのか

 

ウィルは川越の言葉に、黙って地面に転がっている

 

パソコンのマザーボードに目を向ける...

 

「神だろうが、悪魔だろうが、

 

  そんな事は些細な事だ...」

 

「よく分かってるじゃねえか? 川越?」

 

「・・・・」

 

「重要なのは、俺達、ダークウェブの人間が

 

  この混沌とした世界、V-MONETを生み出した

 

  マルサールの居場所を突き止め、

 

  奴が構築した

 

 この世界を破壊する事だ------」

 

「・・・・」