「吉田と川越」 12OS
「き、強制排出------?」
「-------フン、」
「な、何が起きたってんだ....?」
「(--------、)」
"ガラ...."
「どうやら、"神"を退出させた様だな...」
「吉田...」
"チャッ"
まだ、部屋の中に煙が立ち込める中、
先程までパソコンを叩いていた吉田が、
ゴーグルを外しながら川越の元までやってくる
「ああ、"神"とは言っても、
どうやら、まだ、"神を越えた"
存在では無かった様だ...」
「-------、」
"タンッ"
川越の言葉を聞きながら、吉田が
自分のAISUS-zk9の
"Enter"ボタンを人差し指で弾く
「《EXECUTIONOR》$#”
《COMMAND》☆~;@
《ALL CLEAR》...」
"シュゥオオオオンッ"
「き、消えた...」
「な、何だってんだ...」
「・・・・」
吉田が、AISUS-zk9の
Enterボタンを押すと、
空間内に出現していた吉田の仮想媒体(ばいたい)
"AliCe(アリサ)"
が吉田のパソコンに吸い込まれる様に
空間内から姿を消す....
「・・・・!」
「---------ッ"!"」
佐々木がまだ、煙が立ち込めている
サイト内を見渡す
「お、おい------!」
「・・・何だ?」
"シュボッ"
川越は、驚いた表情を浮かべている
佐々木に視線を向けず、
学生服の胸ポケットから煙草を取り出し
それに火を点ける
「い、今の-------」
「"強制排出"の事か------?」
「・・・・!」
佐々木は、先程まで空間内に存在していた
"神"と呼ばれる存在が、
サイト内から姿を消したことに
驚いた様子を浮かべている
「い、いや------、
さっきまで、あの、上の方の裂け目から、
アイツ-------....」
「・・・・」
「アイツが、今の今まで俺達に
攻撃を仕掛けてたってのに------、」
「------だからどうした?」
「い、いや、それが、川越、お前。
お前がそのパソコンで
何かした途端-----...
・・・お前が何かやったんだろう?」
「---------、」
"シュボッ"
煙草の火の点きが悪いのか、
川越はポケットからジッポを取り出し、
再び煙草に火を点ける
「わ、訳が分からねえ------、
む、向こうが攻撃を
仕掛けて来たと思ったら....」
「いつの間にか、"奴"が消えてた-------、」
「それは-----」
「吉田....」
驚いた様子を見せている佐々木の元に、
学生服に身を包んだ吉田が近付いてくる
「先程まで、この空間に存在していた...
そして、俺達に攻撃を仕掛けて来た"神"が、
なぜこの場からいなくなったか....
お前は、今、そう考えている...」
「そ、そうだ。」
「おい、それより------」
「・・・・」
吉田は、川越の視線の先にいるウィルに目を向ける
「------"見てた"か...?」
「あ、ああ...」
吉田と川越の行動に驚いているのか、
ウィルは、空間の地面にへたり込みながら
吉田の言葉に答える...
「な、何がなんだか...」