おめぇ握り寿司が食いてえ

様々な小説を紹介

「吉田と川越」 三OS

f:id:sevennovels:20220120140426j:plain

 

「これから、どうするつもりだ-----?」

 

マルサールが支配する、

 

マルサールが作り出した仮想構築空間

 

"V-MONET"の中を歩きながら

 

吉田、川越、そして佐々木の三人は

 

気味が悪い、まるで獣の肌が剥き出しになった様な

 

V-MONET内の通路を歩く-----

 

「-----ちょっと待て」

 

"ピッ"

 

吉田が、床に座り新型パソコン

 

"AISUS-zk9"、

 

のデスクトップ画面を立ち上げる

 

「見ろ-----?」

 

「ドット解析か------?」

 

「ああ。」

 

川越が、吉田の新型パソコンを覗き見ると、

 

そこにはドット絵の様な地図が表示されている

 

「"ドット"か....

 

  今時、IT土方でもそんなの使う奴は

 

  まずいないぞ------?」

 

「--------」

 

"カタ カタタタタタタ"

 

川越は、自分の後ろで自分の新型パソコンを

 

覗き見ている佐々木の言葉を無視して、

 

軽快なリズムでキーボードを弾(はじ)き上げる

 

「------とりあえず、俺たちは今

 

  ナジュレムのゲートを潜って

 

  そこからマルサールの創り出した

 

  仮想空間、V-MONETの中に

 

  侵入してきたわけだ...」

 

「ピッ ピッ」

 

吉田の指の動きに応える様に

 

新型パソコン内のドット絵が、

 

その表示を変化させる

 

「マルサールがいるこの世界の

 

  コア(核)に入るためには、V-MONET内の

 

 構築回路の一つであるFO-2.NETより、

 

  ナジュレムのゲートを潜る方が

 

  早いからな...」

 

川越が、佐々木が手にしている

 

コルメタタスの魔石に目を向ける

 

「だが、かと言って

 

  肝心のマルサールの居場所が分からなきゃ

 

 どうしようもねぇだろ?」

 

"ピッ ピッ"

 

「("片手"打ち------!)」

 

佐々木の言葉を聞いて、吉田は

 

自分のパソコンのキーボードから右手を外し、

 

反対の左手だけで巧みにキーボードを弾く!

 

「・・・とりあえず、マルサールの体内に

 

 忍び込んだと言っても、

 

 このV-MONET内の空間にはマルサールによる

 

  数多くの

 

 "プロテクト"が掛けられている...」

 

「プロテクトが掛かってたら、

 

  この先に進むのも、一苦労って訳だ...」

 

"カチャ"

 

「そこで、こいつって訳だ!」

 

"ブワッァアアアアアアアア"

 

「-------!」

 

吉田が、AISUS-zk9のエンターボタンを

 

リズムで弾(はじ)くと、パソコン内から

 

光が浮かび上がる!

 

「そ、そいつは------!」

 

「こいつは、

 

 "Alice-'AU.II-2O"
 (アリスエーユー・ダブルシングル・ツーオー)

 

  プロトタイプの、AIだな...」

 

「あ、アリ...

 

 -----何だって?」

 

「-------どうした?」

 

吉田のAisus-zk9の画面から突如、

 

仮想空間内に具現化された

 

"アリサ"を見て

 

佐々木が眉を潜(ひそ)める

 

「これから人工知能と戦おうってのに、

 

  お前は、人工知能の力を

 

  借りるってのか-----?」

 

「-----背に腹は代えられん」

 

佐々木の表情が曇るが

 

吉田は飄々(ひょうひょう)とした顔付きで

 

パソコンから浮かび上がった

 

"アリサ"に目を向ける

 

 

「この、V-MONET空間は

 

  仮想空間だ...

 

  ブログラム言語、そして"越数学"

 

 この二つを使いこなす事ができれば

 

  大抵の物質は

 

 具現化する事ができる-----、」

 

「・・・・なるほどな」