おめぇ握り寿司が食いてえ

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「血の家」 三十六雫

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「カチ カチ カチ カチ カチ...」

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

時間は既に十二時を回り、

 

征四郎たち、そして叶生野一族の人間は

 

無言で、テーブルに付く

 

「・・・・」

 

征四郎がチラリと、少し離れた場所にいる

 

尤光たちに目を向ける

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

尤光たちは特に何かを喋る訳でも無く、

 

無言でテーブルの椅子に座っている

 

「・・・・」

 

「ガチャ」

 

「ゼンバ・・・」

 

「いや、ようやく警察や消防も

 

  帰って行ったな」

 

「大分時間がかかったみたいだが...」

 

「ガタンッ」

 

善波は勢いよく、征四郎、そしてジャンの隣の

 

空いている椅子に座る

 

「さあな、役所仕事ってのはそんなもんだろう」

 

「特にお変わりはありませんか-----」

 

「・・・・」

 

征四郎が顔を横に向けると、

 

そこには、執事の近藤の姿が見える

 

「変わるも何もあるかっ

 

  俺の車が台無しじゃないかっ」

 

「申し訳ございません-----」

 

「まあいい、とにかく、

 

  特に怪我人も無い様だ。

 

  それなら、それで気にする必要は無い」

 

「---------、」

 

近藤が沈んでいるのを察したのか、

 

善波は、声を荒げ、近藤に言葉を投げ放つ

 

「それより、早く食事にしてくれんかっ

 

  もう大分夜も遅くなったろうっ」

 

「-----直ちに」

 

"トッ トッ トッ トッ...

 

スーツの裾を返すと、近藤は

 

そのまま奥の厨房の方へ消えていく

 

「・・・・」

 

征四郎は、黙って向こうのテーブルに座っている

 

尤光兄妹、そして、その隣に座っている

 

雅とルーシーに視線を向ける

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

「・・・・」