おめぇ握り寿司が食いてえ

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2021-11-04から1日間の記事一覧

「血の家」 十雫

「ここが来宮(きのみや)の家だっ!」 「バンッ!」 「(----------、)」 「ザッ」 善波が勢いよく車の扉を閉め、 助手席から降りてきた征四郎に目を向ける 「・・・屋敷が、見えないみたいだが-----」 車から降りて征四郎が門の先を見渡すが 建物らしき物が見…

「血の家」 九雫

「ブロロロロロロロ....」 「しかし、あまり大した事は 分からんかったな!?」 善波が、車のハンドルを握りながら 助手席に座っている征四郎を見る 「--------、」 善波の言葉に何も思うところが無いのか、 征四郎は黙って助手席の窓から見える 叶生野荘の…

「血の家」 八雫

「-----そうか、分かった」 「いえ-----」 「ガチャッ」 ドンッ 「------っ」 突然、征四郎が屋敷のドアを開けると、 そのドアの中から、明人が出てくる 「-----そこを退け。」 「-------!」 明人は、ドアの前に立っている 征四郎を睨みつける 「・・・・」…

「血の家」 七雫

「おお、着いたぞ」 「・・・・・」 尚佐の邸宅から、十五分程車を走らせ 広大な山岳地帯一帯に広がる 叶生野一族が住む、 "叶生野荘" の中を、善波、そして征四郎の二人は、 進んで行く-----、 「・・・・」 征四郎は車の中から、 森や丘の上にあるいくつか…

「血の家」 六雫

「征四郎君は、どうするつもりだ?」 「-----いえ、」 「君は、尤光や正之と一緒に 征佐、を探しに行かないのか----?」 「・・・・」 善波の言葉に、征四郎は部屋の中から、 窓の外へと視線を向ける 「(俺が、"御代"を-----?)」 元々、征四郎の家、鴇与家…

「血の家」 五雫

「----それでは、私は、これにて-----」 「ガチャッ」 近藤は、部屋の中にいる一族の人間に背を向けると 扉を開け部屋から出て行く------ 「・・・・」 後に残された叶生野家の者、 そして征四郎は、尚佐が残した遺言に 口を開かず、その場に立ち尽くしてい…

「血の家」 四雫

「な、何かの間違いなんじゃないのか!?」 「-----いえ」 近藤は、自分の傍に詰め寄って来た 正之から距離を置き、部屋の中の人間を見渡す 「-----征佐何て名前の人間、 この叶生野の家にはいないじゃないか」 「"征佐"様は、 確かに、この叶生野の 人間で…

「血の家」 三雫

「せ、"征佐"------?」 「??」 「そうで御座います-----」 「---------」 「・・・・」 「な、何かの間違いじゃないか」 正之が、目を細めながら近藤を見る 「いえ、確かにこの書簡に書かれた通り----」 「貸せっ」 「------!」 近藤が手にしていた書簡…

「血の家」 二雫

血の家 「-----残念ですが...」 二雫 「お祖父さまが--------」 医者の言葉に、 尚佐の横たわっているベッドの脇にいた 綾音が床に崩れ落ちる 「いきなりだったな...」 「御代(みだい)も今年で90だ。 こうなるのも、 当然と言えば、当然かもしれない」 「(…

「血の家」

「血の家」 一雫(ひとしずく) 「(クククク...知能の浅い奴らだ-----」 鴇与(ときよ)家の三男、征四郎は、 薄暗い館の通路の壁と壁の間に 張り廻(めぐ)らされたピアノ線を見て それが、叶生野(とおの)家の別の家族、 一族の誰かがが仕掛けた 罠だと言う事に気…